アトピー苦に一家4人が無理心中、父子3人死亡(読売新聞)(2004/12/1)
長男(4)と長女(生後10か月)のアトピーに悩み、練炭を使った無理心中。。。
このニュースを見たとき、本当にショックでした。
実は、もう大分前になりますが会社のお茶場に置いてある「日経メディカル」でアトピーの記事を読み、「今はアトピーは治る時代なんだな」と思っていたんです。
(日経メディカル2004年6月号特別編集版 「日常診療に役立つ皮膚疾患の見かた」)
読んだのは「アトピー患者に“出口”はあるか」という、「アトピーの女王」の著者雨宮処凛(かりん)さんと金沢大皮膚科教授の竹原先生の対談でした。
雨宮さんのさまざまな病院での治療談や、竹原先生の患者さんですっかりよくなった事例などが対談の中で紹介されていましたが、その中で感じたのは「正しい治療をすれば、アトピーは治る。不治の病のように言われているけど、今はそうじゃないんだ。」ということでした。
正しい治療というのは、「症状が強い時には短期間に改善し得る程度の強いステロイド外用薬を使い、軽症であっても、その症状を見逃さずにきちんと正常になるまで治してしまう」ということ。
竹原先生によると、重症になるまできちんと治療をしなかったり、薬も必要量の1/10も使っていないケースがあるとのこと。乾燥してちょっと粉がふいて軽い掻き傷のあるような状態を「アトピーの人の普通の肌」と思わずに、そういううちから保湿剤とステロイドの混ざった弱いものを使っていくと、1週間くらいですべすべの正常な肌になるそうです。
軽いうちに治してしまえば、中等症にも重症にもならない。それだけのこと。
強い薬も、悪化したときだけ使えば怖くない。
そうやって治療していくうちに、薬を塗らなくてもいい部分や時期が長くなり、気がついたらもう何年も薬がいらなくなっている。
あるとき気付いたら治っているというのがアトピー。
先生は、そういうふうにおっしゃっていたんです。
わたし自身はアトピーではありませんし、身近に重度のアトピーで苦しんでいるひともいないので、きっと本当の苦しみはわたしにはわからないのだと思います。
アトピーについて調べているときに見たある病院のHPには、子供のアトピーにものすごく苦しみ悩み死まで考えたという人の手記があり、苦しみの一端を垣間見ましたが、それで苦しみをわかったとはとてもいえないのが現状なのでしょう。
“そんなことはわかっている。できるだけのことは全部やった。それでも、治らないんだ!”
そういう人も、きっといるのでしょう。
でも、せっかく「不治の病」でなくなったと思ったのに。。。
この方たちがアトピー性皮膚炎治療ガイドラインを知っていたかはわかりません。
どんなお医者さんに、どれくらいの期間かかっていたのかもわかりません。
もしかしたら、「不治の病」のイメージを利用して怪しげで高額な治療をふっかける「アトピービジネス」の被害にあっていたのかもしれません。
竹原先生の患者さんで、変な治療に引っかかって診察時に生涯最重症だった中学生の女の子は、その後治療によってほとんど良くなってしまい、半年に一度くらい通う程度になったそうです。その後高校2年の時に海外留学したそうですが、外用薬でうまくコントロールでき、1年半ぶりに診察した時にもまだたくさん薬は残っているような状態だったそうです。
どんなに酷い状態の患者さんでも、この女の子のようによくなるとわたしは信じています。
死ぬよりも苦しい激痛に安楽死を求められ、患者に死を賜ることは、一見正しいことのようにも思えます。
しかし、逃れられないと思っていた痛みも、モルヒネなどの麻薬を正しく使えば、絶対に取り除くことができるということをもし知っていたら(そして医師が適切に治療できていたら)、その患者さんははたして死を求めたでしょうか。
「知らない」ことのためだけに苦しい思いをしつづける人が早くいなくなることを祈ります。
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